外からのケアだけでは美肌はつくれない

皮膚は、からだの中から生まれ出づるものです。

からだに取り込む食べ物を消化し、水や酸素を循環させるからだのはたらきがあって、皮膚という組織がつくられています。

肌をきれいにすることを考えたとき、外からどうにかする以上に「皮膚がつくられるプロセス」に着目して考えることが大切です。

今のスキンケアの発想は、「皮膚表面をどうするか」ということが重視されていて、その奥にまでおよんでいないのが現状です。

子どものころはみんなきれいで、すべすべの肌をしていたように、年齢を重ねたとしても、健康的な美肌はむずかしいことではありません。

むずかしくしているのは、頭で考えすぎてしまって、五感で自分の肌を感じることをせず、お化粧品や外側からのケアで手を加えすぎてしまうからです。

洗顔が肌にいいと聞けばとことん洗ってしまう、化粧水パッティングがいいといわれれば10分もパタパタと肌を叩きつづける、ピーリングで肌を削りすぎてしまう…それぞれは本来、肌にいいケアなのかもしれませんが、自分の肌のほどほどを見つけることができないと、どんなに優れたケアもいい結果をもたらしません。

からだのホンネ、心のホンネは、自分にしかわからないのです。

腹八分目の食事量が人それぞれちがうように、自分にとっての「ほどほど」は、自分自身で感じながら、試行錯誤しながら見つけてあげなければなりません。

今は情報過多の時代ですから、みんな頭脳が先行しがちで、頭でっかちになっています。

お肌のきれいな友達や家族がいて、そうなりたいと感じたら、根ほり葉ほり美容法を聞くより、お肌をさらわせてもらったほうが何倍も得るものがあります。

「頭と心と体」の三角バランスが重要

わたしは、患者さんに「頭と心とからだのバランス」をお話するとき、三角バランスを例に出します。

これは心身医学の先生から教わったたとえ話なのですが、それぞれが3つの角になって、頭と心とからだ、ほどよい距離を保っている状態、それが正三角形に近いと、心身ともに健康な状態になります。

「頭」でっかちになり、過度に突出してしまうと、正三角形の均衡をくずしてしまいます。

「頭」を使いすぎると、「心」と「体」から遠く離れてしまい、縦に細長い二等辺角形になってしまいます。

これでは、心と体の声がなかなか聞き取れなくなってしまいます。

一番いいのは、「頭」はほどほどに使い、「体」や「心」の感覚を大切にする生き方。

それぞれがおたがいによい関係でいる状態こそ、「健康」なのです。

そのバランスが保たれていることで、しぜんと健康な皮膚も育まれます。

人間が健康であるために、変わった健康法や、極端な食事療法など必要ないのです。

人が健康であるのはあたりまえのすがたです。

そのためには当然、あたりまえの生活をおくることに尽きます。

とてもシンプルなことなのですただ、今は世の中が便利になりすぎて、いろんな情報であふれかえっていることで、「あたりまえ」が見えにくくなっています。

健康的で美しい肌を育むには、いかに「あたりまえの生活」を実践していくかということに尽きます。