スキンケアに熱心な人ほど「こすりすぎケア」に要注意

かつて化粧品メーカーと協力して、20代の女性の洗顔パターンを分析したことがあります。

その結果、肌トラブルを抱えている人ほど、洗いすぎに加えて、こすりすぎの傾向があることがわかりました。

たとえば、化粧品でトラブルを起こしやすいという敏感肌の女性の場合。

実際にふだんの洗顔をしてもらうと…。

泡立てた洗顔料を顔にのせると、時間をたっぷりかけて鼻から頬、あご、額と指先でくるくると輸を描くように念入りに洗顔料をこすりつけていきます。

洗顔料の泡がなくなってしまうまで丹念にこすり終えたら、次はすすぎです。

洗い残しがないように、30回ほどお水で洗い流し、最後にタオルでしっかり拭きとって終わりました。

この洗顔ケアのよくない部分がわかりますか?

洗い終わった彼女の顔を見ると、頬のあたりがほんのりと赤くなっています。

これは洗顔料によって皮脂がそっくり落ち、指先でこすることで表面の角質細胞が取り除かれすぎたためです。

完全に「洗いすぎ」「こすりすぎ」です。

たしかにていねいに洗顔はしていましたが、じつは肌にとってはまったくやさしくありません。

スキンケアのトラブルでもっとも多いのが、「こすりすぎ」による肌荒れです。

洗顔料をつけて指でくるくる、タオルでゴシゴシ、コットンでパタパ夕、クリームをつけて丹念に肌に塗り込む…ひとつでも身に覚えはありませんか?

顔をゴシゴシこすることは、バリアとして大切な機能を担っている角質層を傷めてしまい、外界からの刺激を受けやすくなってしまうのです。

つまり、ふだん問題なく使っていた化粧品が合わなくなったり、かぶれてしまうなどのトラブルが起こりやすくなります。

肌が赤くなったら危険信号

スキンケアの大原則としてこすったり、叩いたりと肌を刺激するような動作は必要ありません。

むしろ避けるべきです。

それによって、化粧品の効果が高まるわけでもなく、その刺激で肌が若返ったりすることも期待できません。

化粧品の成分は、叩いたからといって肌内部に入っていくわけではありません。

また、汚れや皮脂は洗顔料の泡と接するだけで吸着されて浮き上がります。

指先でこすり落とそうとがんばるのは肌をいじめるだけで、いいことはひとつもないのです。

指先より泡のほうがずっとやさしく隅々まで行き届きます。

指先の力はどうしても過剰な摩擦を生んで肌を傷つけやすいのです。

とくに湿った状態の肌は、角質が水を含んでふやけ、乾いているときより弱くなっています。

そこに刺激が加えられることで、角質に細かいキズがついたり、角質がめくれあがったりして、肌が荒れてしまうのです。

洗顔料やクリームで肌が赤くなった、ヒリヒリして大変なことになったとあわてて皮膚科に駆け込む患者さんがいらっしゃいますが、化粧品の成分によるアレルギーはそうしょっちゅうあることではなく、ましてや化粧品が強すぎるというようなことはまずありません。

むしろ、使い方が悪くて肌に炎症を起こしているケースが少なくないのです。

こすりすぎケアのわかりやすいシグナルは、「肌が赤くなる」という現象です。

これは、過度の負担がかかっていますよ、という皮膚からの警告です。

からだが異常を察知して、緊急体制に入っているシグナルです。

この現象は、運動をして毛細血管の血流がスムーズになって赤みを帯びるのとはまったく違う病的な症状です。

こする、叩くなどの過剰ケアをしがちな人は、お肌を「お豆腐」と見立てて、接してあげましょう。

料理でお豆腐を扱うときは、少しでも力を入れると、ほろほろとくずれてしまいます。

そのやわらかいお豆腐をくずさないよう、表面をやさしくタッチする感覚です。

濡れた肌はそのぐらいデリケートでか弱いものとお考えください。